
2002.12.31.〜2003.1.2.
去年の暮れから今年にかけて、南紀白浜へ行った。
家族旅行である。
とりあえず、「正月は上げ膳据え膳でごろごろしたいよ〜」という家族全員の希望で、行き帰りが楽なところを探したのであった。
日本人がごろごろするといったら、やはり温泉だろう。
何の気兼ねもなく昼日中からお風呂に入り、ごちそうを食べて部屋で海豹かはたまたトドの如くにごろごろしていても咎められない、といえば矢張り温泉だ。
で、いまどきはやりの通称名特急「スーパーくろしお」に乗って向かった。
南紀白浜である。
此処は海水浴場でも有名なので、関西圏で育った人間であれば、一度や二度は家族旅行で来ているのではないかと思う。
黒潮のおかげでで暖かいうえに「海のもの」が豊かだ。だから、山がちの小さな町なのに、昔からたいした観光地である。
何しろ小なりとはいえ、空港があるのだ!作るの作らないのと今頃もめているK市やS県とは格が違うのである。
勿論、はるか昔からの筋金入りのビンボー自治体で、空港どころの話ではないわがK市など、問題外である。俎板にすら乗っからない。
仮にも「海」に憧憬を抱くものであるなら、白浜、なんて名前の土地に来たならばすることはひとつ。即ち「海へ向かう」ことである。
大晦日のその夕方、西方浄土もとい紀州灘に向かって開けた白良浜の青さと、だんだんに海と空と大気を、朱に、紫に、漆黒にと染め上げてゆく夕景のすばらしさに、我々はしばし佇んだのであった。
私の持つ、大晦日のイメージとは違いすぎる。
では、私の大晦日のイメージとは?「行く年来る年」を見ている人ならウンウンとうなずいてくれるはずだ。まさしく「雪の永平寺」。それである。
実は私は大学の卒業旅行で年末にかの地・かの名刹を訪ねている。
そう、雪だったよ…。ちゃんと、本当に、雪だった。
北陸に雪が多いのは知っている。ベントー忘れても傘を忘れるな、といわれるぐらい天気が荒れるのも(悪いのも)聞いている。
だけど、ちょっとぐらい北だからといって、そこまで律儀に降ることなかろう?…というぐらいに降っていた。いや、雪が問題なのではない。問題は…寒さだった。本当に寒かった。
おまけに戒律の厳しいことで有名な禅寺なものだから、暖房は入り口の火鉢一個のみ。一辺1mちょっとあるぐらいの大きな火鉢だったけどね。渡り廊下にビニールカーテンをつったぐらいじゃ、隙間風が入ってきてさむいんだよぅ!
……というぐらい寒かったのだ。
「こんなところで裸足で修行しているお坊様たちは人間かい?」と言いながら、その唯一の熱源をぐるり取り巻くようにして、しがみついていたものである。
それでも結局、一行のうち何人かはきっちり足にしもやけを作って、その旅のお土産とする羽目になったのである…。
あ〜なつかしい〜な〜。(←自棄)
さて、それに比べて白浜のなんと暖かいこと!
おまけに新年の時報とともに、白良浜の海岸で唐突に打ち上げ花火が始まった!地元の人に聞くと、花火は毎年恒例のことらしい。あまりに派手なので、何かお祝い事でもあったのか、と思ってしまった。
花火に気を取られて外を見れば、大晦日の真夜中だというのに道路に車が数珠繋ぎだ。
此処より南へは、「熊野」や「那智」の聖域が広がるわけである。車で行く【現代版・熊野詣】かな?
ヘリコプターでひとっとびの【四国霊場めぐり】があるぐらいだから(本当だ)それぐらいは許されるだろう。
翌元旦は、食べ過ぎを消化するためにも、近場の観光地へ向かった。海から岩が屏風のようにそそり立つ「三段壁」と、波と風に削られてあたかもパイ生地の如き「千畳敷」である。

たいした距離ではないと思ったが、路線バスは妙に高かった。観光地の乗り物は高い。そう、京都市だってバス(\220〜)も地下鉄(\200〜)も理不尽に高い。同じことか…。
このページの背景写真は三段壁の上から海を眺めた写真である。
見るからに暖かそうな海である。冬の日本海とは雲泥の差がある。ただ、この三段壁と東尋坊に共通して言えることがある。
どちらも自殺の名所ってことだ。
三段壁にはエレベーターがあって、海面の高さまで降りれば侵食によって出来た洞窟が見学できるという。村上水軍が神様(弁財天だったか?)を祭った祠があるという看板が出て、派手に宣伝もしているが、そのエレベーター代(つまり入場料)が高いのなんの!水軍基地には興味があったが、あまりの高さに諦めた。だって、たかがエレベーターなのに!!
あまりの値段についつい口をついて出る。「おぬしもワルよのう」って…気分はすっかり悪代官か。
白浜アドベンチャーワールドは、今回の旅行の目的のひとつ。何しろ私は「サファリ」」というものを見たことがない。
動物好きの私といたしましては、これは捨て置けない。…で、感想は。「よかった〜♪」
肉食動物が、とにかく元気!サファリカーの中に鈴なりにいる我々人間を、じっと見つめるライオン…!あの目はぜ〜ったい隙を狙っているぞ!!間違いない!
それと、なんで、狒々が獰猛な肉食動物のエリアにいるのか分からない!いくら高圧電流の囲いをしているといったって…めちゃ低い柵やん!!
普通の熊に対する白熊の足の長さは、日本人に対する欧米人のそれと同じ。
「散歩するペンギン」には絶対手を出してはならない。「100%つつかれます!」と自信を持って言い放つ飼育員。
その言葉に、一歩二歩引く観光客…。
飼育員がかかりきりの若い同輩に嫉妬して、わざわざプールの真反対側へ行って甲高い鳴き声を上げるシャチ。(「うるさいっ!」って怒られていた)などなどなど。
じっくりしっかり楽しんだのであった。
ちょっと、パンダが一番遠いところで客にお尻を向けて居眠りこいていたとか、動物たちはほとんどが寝るか食うかどっちかだったとか、そんなことで文句は言わない。
彼らにとって「生きる」ということは、そういうことなのだろう。
それで結局、一番印象に残っているのはといえば、「美味しい海の味覚」なんだな、これが。
目次へ
TOPへ